ご挨拶

 精子や卵子・受精卵・胚を取り扱う為に、知識と技術の情報交流や研修を通じて不妊治療レベルアップを願い、自主的に1996年臨床エンブリオロジストの会を立ち上げました。
 その後、毎年ICSIや細胞凍結保存その他の実技実習を含む研修(workshop)の実施、JournalやE-news(会報)、エンブリオロジストのためのARTラボ必須マニュアルなどの発行、メーリングリストなどエンブリオロジストのネットワークを通じて全国どこでも最新の技術で貢献できるようエンブリオロジストによるエンブリオロジストのための活動を続けています。
学会組織図(PDFファイル 33KB)

理事長就任のご挨拶

一般社団法人 日本臨床エンブリオロジスト学会 理事長 家田祥子

2022年度第3回理事会にて、一般社団法人日本臨床エンブリオロジスト学会の理事長を拝命致しました。微力ではございますが、本学会員の皆様ならびに日本のエンブリオロジストのために、最大なる努力をして参る所存でございます。

本年4月より不妊治療において保険適用が開始され、生殖補助医療技術は今まで以上に医療として公的に認められるようになりました。不妊治療において、生殖補助医療技術は最も必要不可欠なものです。そして、この技術を担っているのが我々エンブリオロジストです。ただ、公的資格ではないエンブリオロジストがヒトの配偶子、胚を扱っているというのも事実です。本来ならば、エンブリオロジストも国家資格として認められるべきであり、質の担保・社会的地位の向上が重要であると考えます。エンブリオロジストは決して楽な職業ではありません。むしろ、心身ともに重労働だと思います。エンブリオロジストは日本社会からもっと評価されるべきであり、またその一歩を踏み出す時だと思います。皆様のご協力の下、まずは、認定臨床エンブリオロジストと胚培養士の2つの認定資格の一本化を進め、国家資格化へと続くよう、前進して参ります。

また、本学会の強みでもあります実技講習などにもより一層力を入れていきたいと思っております。エンブリオロジストに求められているものは、「高い成績を出す安定した技術」です。不妊治療を受けられている患者様のゴールは妊娠ではなく、自らの赤ちゃんを抱くことです。丈夫な赤ちゃんを誕生させることができるのはエンブリオロジストの技術力です。ぜひ、ワークショップにも参加して頂き、自分の技術の不安なところや最新の技術を大いに学んで頂きたいと思っております。我々で日本の生殖医療補助技術の質を一緒に向上させていきましょう。

本学会員の皆様ならびに新役員とともに、「今やるべきことは何か」「エンブリオロジストが求めているものは何か」を常に一緒に考え、本学会を盛り上げて参りたいと思います。本学会員の皆様にはこれまで同様、何卒ご支援、ご協力の程、お願い申し上げます。
 
 

令和4年7月吉日

一般社団法人 日本臨床エンブリオロジスト学会
理事長 家田祥子