ご挨拶

 精子や卵子・受精卵・胚を取り扱う為に、知識と技術の情報交流や研修を通じて不妊治療レベルアップを願い、自主的に1996年臨床エンブリオロジストの会を立ち上げました。
 その後、毎年ICSIや細胞凍結保存その他の実技実習を含む研修(workshop)の実施、JournalやE-news(会報)、エンブリオロジストのためのARTラボ必須マニュアルなどの発行、メーリングリストなどエンブリオロジストのネットワークを通じて全国どこでも最新の技術で貢献できるようエンブリオロジストによるエンブリオロジストのための活動を続けています。
学会組織図(PDFファイル 33KB)

理事長再任のご挨拶

三宅医院 生殖医療センター
沖津 摂

平成30年6月に開催された理事会において理事長職に再任され、引き続き2年間の任期を務めることになりました。改めて身に余る光栄と感謝し、重責ではありますがご期待に添えるように全力を尽くして参ります。今期を全うすれば9年間という長期間にわたり理事長職を務めあげたことになりますので、そろそろ次期リーダーへの引継ぎを考えながら、今期を集大成の2年間と考えたいと思います。

これまで、自身にとって最も重要な役割は学会運営の安定化のためのシステム作りと考え、定款・運営細則の改訂や事務局の外部委託などに取り組んできました。また、そのために必要な財政基盤の安定化においても様々な取り組みを行い、ある程度成果を残すことができたと自負しています。その一方で、私共臨床エンブリオロジストにとって最も重要で、多くの会員の悲願である胚培養士と臨床エンブリオロジストの資格統一化と、その上での国家資格化については少しずつ前進しているものの、未だ道半ばという現状です。つい最近、あるART関連企業の方のご協力の元、海外におけるエンブリオロジストの資格制度の現状について調査を行いました。その結果を見ますとアジアでは中国において国家による資格制度が行われているようです。中国ではアメリカ合衆国におけるFDA(米国食品医薬品局; Food and Drug Administration)に相当する国家機関が存在し、Time-lapse incubatorやculture dishなどARTに関わる機材の安全性検査を行う体制も整っているようです。また、欧米をみてもフランスやイギリスなどでもエンブリオロジストの資格に国家が関与しているようです。日本国内においては、すでに臨床検査技師の資格を取得しているエンブリオロジストの中には改めて国家試験を受けることに抵抗を感じている方もいらっしゃる反面、特に農学・基礎系出身者の多くは国家資格化を望む声が大きいようです。当会としてはこれまで同様に他のART関係組織とのネットワークの構築・発展をさせながら、広く”エンブリオロジスト”の社会的認知度向上に努めていきたいと考えています。

よく、助産師さん方の業界では何人の赤ちゃんを取り上げてきたかというのが、個人のキャリアとして評価されるようです。我々エンブリオロジストの業界でも、自分が関与することで何人の新たな命がこの世に誕生してきたか、ということを考えるとこの仕事に誇りを持ち、大きなやりがい・喜び・感動を感じることのできる素晴らしい仕事だと思います。そしてそれらがまた新たなモチベーションへとつながっていきます。

我々の活躍を見て、あこがれを感じ”エンブリオロジストになりたい”と思ってくれる仲間がますます増えるよう、共に輝き続けていきましょう。

平成30年6月

一般社団法人 日本臨床エンブリオロジスト学会
理事長 沖津 摂